映画『ミステリと言う勿れ』の主題歌であるKing Gnu「硝子窓」のMVが公開されました。
「カメレオン」のMVに登場したキャラクターたちのその後の続きを描いた作品になっていますが、どういった意味が込められているのでしょうか?
今回はKing Gnu「硝子窓」のMVについて、ストーリー解説や考察、小ネタについて紹介します。
King Gnu「硝子窓」MVについて
King Gnu「硝子窓」のMVについて紹介します。
こちらがKing Gnu「硝子窓」のMVです。
全3分45秒の作品で、MV監督はOSRIN。その他にも吉田健人、荒居誠、KENTA MORIなどのPERIMETRONメンバーやCGプロダクション会社であるN-DESIGNが作品に携わっています。
「硝子窓」のMVは、TVドラマ『ミステリと言う勿れ』の主題歌となった「カメレオン」のMVに登場したキャラクターたちのその後を描いた作品となっています。
登場キャラクター
King Gnu「硝子窓」のMVに登場するキャラクターはこちらです。
テレス・テン | 有名舞台俳優 レオンの恋人? |
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ザックス | テレスとレオンに共に寄り添う愛犬 | |
レオン | テレスの恋人? 「理想の自分になれる薬」を飲み天へ昇った |
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キャンディ | タクシーの運転手 |
「カメレオン」のMVにも登場したテレス、ザックス、レオンの他に今回は新たにタクシドライバーのキャンディが登場しています。
King Gnu「硝子窓」MVストーリー解説
King Gnu「硝子窓」のMVのストーリーについて解説します。
ストーリーは前作「カメレオン」の続きから始まります。
「カメレオン」では”理想の自分になれる薬”を飲んでしまったことでバケモノのような黒い感情が生まれてしまったレオン。
テレスはザックスから赤い花を受け取り、レオンの元に駆けつけました。しかし、黒いバケモノがテレスを抱きしめると周囲は真っ暗闇に。その中でテレスとレオンは抱き合いストーリーは終わりました。
ハッピーエンドで終わったように思えたにストーリーですが、今回の「硝子窓」のMVではレオンは天に昇っていたことがわかりました。
その後、タクシーに乗り物思いにふけるテレス。その目には涙が。タクシー運転手のキャンディがその様子をバックミラー越しに伺うと、視線に気付いたテレスは表情を変え気丈に振る舞う。
タクシー内のモニターにはテレスが失踪したことを知らせるニュースが。
乗客が有名な舞台俳優だと知った”腕”はお金になるのではないか?とキャンディに伝える。
程なくしてタクシーは渋滞にはまってしまう。
テレスは運転席に身を乗り出し、前に進んで欲しいとキャンディに伝える。
キャンディと腕はそれにはお金が必要だと”お金を表すジェスチャー”を示す。メモにも”PAY EXTRA CHARGE(追加料金を支払う)”の文字が。
テレスがトランクから札束を取り差し出すと、タイヤに足が生え渋滞の中をタクシーは前に進み始める。
途中パトカーに追われるが、ハイウェイから飛び出し換気口から工場内に侵入する。
工場内には無数のマネキンが。そこにはレオンのマネキンの姿も。
工場内を通り抜け、再びハイウェイを走り出すタクシー。窓の外には無数の光、そして赤い花や白い鳥が舞っている。その光景を見たテレスは窓を開け、天に向かって腕を突き出し窓から乗り出す。
しかしそこは普通のハイウェイで、危険だと思ったザックスは慌てて車内に連れ戻す。
それでも尚、上へ行きたいというテレス。キャンディはテレスの胸についたシルバーの鳥のブローチを指差す。
シルバーの鳥のブローチを指差すと、タイヤから羽が生えタクシーは上空へ向かって羽ばたいていく。
途中、悪天候のなか更に天に向かって突き進むと雲を抜けた先に無数の糸で繋がれた浮島が。
土台はテレスが着ているドレスのようなカラフルな紐で出来ており、地面には赤い花が全面に散りばめられている。
キャンディーがシルバーの鳥のブローチを投げると、ブローチは白い鳥に変化し羽ばたく。
白い鳥の行き着いた先にはテレスの姿が。
驚いた表情のレオンに対し頬に手をやるテレス。嬉しさのあまり2人の周りを飛び跳ねながら回るザックス。
そして2人は再会を果たす。
以上が「硝子窓」のMVのストーリー解説でした。
ちなみに、
前回の「カメレオン」は、レオン目線の歌詞&MVストーリー
今回の「硝子窓」は、テレス目線の歌詞&MVストーリー
となっています。
King Gnu「硝子窓」MV考察
King Gnu「硝子窓」のMV考察を紹介します。
今回のMVでは2つのパターンを考察してみました。
1つ目は天に昇ったレオンを追いかける死後の世界線
2つ目は正気を戻したテレスの頭の中の世界線
まず1つ目ですが、天に昇ったレオンを追いかける死後の世界線を描いたストーリーという考察です。
前回ハッピーエンドで終わったかと思えたストーリーでしたが、今回、実はテレスは天に昇っていたことがわかりました。
この事実に対し、お金に糸目もつけずレオンに会いたいと願うテレス。
この考察で注目すべき点は、キャラクターについている操り人形のような糸の存在です。
前回の「カメレオン」ではテレスが”理想の自分になれる薬”を飲んだ後にからだについていた糸が切れています。
そして今回は空に浮かぶ島で再会を果たした後にテレスの糸が切れています。
糸が切れる=死=自由を手にいれる
このように糸が切れたということは”死”というものを暗示しているのかもしれません。
他人の目を気にすることがない、他人に操られることもない自由な世界ということを描いているのかもしれません。
仮に死後の世界であったとしても再会を果たしたレオンとテレスとザックス。本当の幸せを手に入れることできたのであれば嬉しく思います。
またMV最後の2人の周りには2羽の白い鳥が飛んでいます。白い鳥に”幸運”や”癒し”のサインと言われており、2羽の鳥には”パートナーを大切にすることで愛情が深まる”というメッセージがあるようです。
続いて2つ目ですが、正気を戻したテレスの頭の中の世界線を描いたストーリーという考察です。
この考察をするにあたっては「カメレオン」のMVのおさらいをしなくてはいけません。
冒頭のシーン
最後のシーン
「カメレオン」のMVではレオンの頭から出てきた黒いバケモノに包まれた2人でしたが、続きがありました。
それが画像右のシーンで、レオンとテレス、そしてザックが幸せそうに食事をするシーンです。冒頭のシーンとほぼ同じ構図ですが、各キャラクターの表情や仕草が全く異なります。
冒頭では常に目線は下向きで、時折テレスの表情をうかがうように見るレオン。最後はお互いに穏やかな表情で幸せを確かめ合う2人。
つまり、「カメレオン」でのストーリーはやはりハッピーエンドだったことがわかります。
そして今回の「硝子窓」のMVでは、テレスからの本当の愛情を知ったことで、レオンが正気に戻るまでの頭の中の世界線を描いたのではないかと考察します。
一見、全体的に悲しそうなMVのストーリーですが、こちらの歌詞に注目してみました。
誰かが決めた宿命や
変えられない運命の中で
生き抜く意味を探し続けたい
弱さは負けじゃない
壊れたら直せばいいよ
誰もが一悪を以って歪さ笑って
この歌詞から見てとれるように、テレスからレオンに対する優しく力強いメッセージが投げられていることがわかります。(余談ですが井口さんの歌唱もこのパートだけ一段と力強い声で歌われています)
またメロディや歌詞全体をみても、悲しさはあるものの二人の愛について歌われていることもわかります。
以上の点からまとめると、死後の悲しい世界が描かれているのではなく、今を生き抜くための深い愛情や力強いメッセージを描いたのではないかと思います。
以上の2つが、今回の「硝子窓」のMV考察でした。
どちらであれ「幸せの向こう側」や「悲しみの向こう側」に行き着いた先で本当にお互いを理解し合える仲になったのではないでしょうか?
またストーリー内容とは別の考察ですが、タクシー内に登場するキャラクターやオブジェクトはKing Gnuメンバーをモチーフにしているのではいかと予想します。
運転手のキャンディ→常田大希
運転席に生えている腕→井口理
運転席頭部に埋め込まれた心臓→勢喜遊
バックミラーに吊られている人形→新井和輝
運転手のキャンディは鼻にピアスをしていますが、「SPECIALZ」のMVに登場した常田大希さんも同じような鼻ピアスを身につけています。
運転席に生えている腕の手首には金のチェーンのようなネックレスをしていますが、「SPECIALZ」のMVに登場した井口理さんも同じような金のチェーンネックレスを身につけています。
バンドの心臓といえばドラム=勢喜遊
バックミラーに吊られている人形は「SPECIALZ」のMVで宙吊りされていた新井和輝さんにリンク?また人形の髪型もどことなくドレッドヘアをしているように見えます。
以上の理由が、タクシー内に登場するキャラクターやオブジェクトがKing Gnuメンバーをモチーフにしているのではないかという考察でした。
King Gnu「硝子窓」MV小ネタ
「硝子窓」のMVにはところどころにチームPERIMETRONの遊び心が隠れています。
MVを観て気がついた遊び心を小ネタとして紹介します。
タクシー内で流れる映像
MV開始1分21秒から24秒に映る画面右端のタクシー内のモニターですが、King Gnu「Prayer X」のMVに登場したキャラクターが映っています。
タクシーのお金回収機
MV開始1分35秒くらいから映るお金回収機が、King Gnu「SPECIALZ」での井口理さんの歯を彷彿とさせる作りとなっています。
また、この歯の映像が流れる歌詞の部分が”だから泣かないでくれよハニー”となっており、歯にとハニーをリンクさせているのではないかと思われます。
タクシーのナンバー
タクシーのナンバーが”YNZW402”となっています。これはperimetronの旧事務所である米沢ビル402号室にかけてYONEZAWA402になっているようです。ちなみに”YNZW402”の文字はmillennium parade「Plankton」やKing Gnu「SPECIALZ」のMVにも登場しています。
perimetron旧事務所の正式住所は”東京都世田谷区松原1-37-17米沢ビル”402です。