2022年12月3日に公開される映画『スラムダンク』(『THE FIRST SLAM DUNK』)ですが、1993年から1996年にかけてテレビ朝日系列で放送されたTVアニメ『SLAM DUNK』のボイスキャストから一新されることが発表されました。
この発表に対し様々なファンの声があがっていますが、なぜ今回の映画では声優が変更されたのでしょうか?
この記事では、映画『スラムダンク』の声優が一新される理由について紹介します。
『スラムダンク』声優紹介
まずは、テレビアニメ『スラムダンク』と映画『スラムダンク』で湘北高校バスケ部レギュラーメンバーを担当した声優陣を一覧で紹介します。
テレビアニメ『スラムダンク』声優一覧
テレビアニメ『スラムダンク』湘北高校バスケ部のレギュラーメンバーのボイスキャストはこちら。
役名 | 声優 | 生年月日 | 代表作 |
#10 桜木花道 | 草尾毅 |
1965年11月20日 | 『ドラゴンボールZ』トランクス 『ケロロ軍曹』ドロロ兵長 |
#11 流川楓 | 緑川光 |
1968年5月2日 | 『コードギアス 反逆のルルーシュR2』黎星刻 『名探偵コナン』諸伏景光/スコッチ |
#4 赤木剛憲 | 梁田清之 |
1965年5月10日 | 『機動戦士ガンダムF91』ザビーネ・シャル 『獣神ライガー』リュウ・ドルク |
#7 宮城リョータ | 塩屋翼 |
1958年6月24日 | 『海のトリトン』トリトン 『科学忍者隊ガッチャマン』つばくろの甚平 |
#14 三井寿 | 置鮎龍太郎 |
1969年11月17日 | 『地獄先生ぬ~べ~』鵺野鳴介 『テニスの王子様』手塚国光 |
テレビアニメ『スラムダンク』はテレビ朝日系列で1993年10月16日から1996年3月23日までの約3年半に渡り放送されました。(全101話+SP版2話)
テレビアニメ版で主役の桜木花道役を務めたのは『ドラゴンボールZ』のトランクス役や『ケロロ軍曹』のドロロ兵長でお馴染みの声優である草尾毅さんです。
その他は、湘北のエース流川楓役は『名探偵コナン』諸伏景光役でお馴染みの緑川光さん、湘北のキャプテンでセンターを務めるゴリこと赤木剛憲役は『機動戦士ガンダムF91』ザビーネ・シャル役でお馴染みの梁田清之さん、湘北の切り込み隊長である宮城リョータ役は『海のトリトン』トリトン役でお馴染みの塩屋翼さん、天才シューターであり諦めの悪い男・三井寿役は『地獄先生ぬ~べ~』鵺野鳴介役でお馴染みの置鮎龍太郎さんととても豪華な配役でした。
映画『スラムダンク』声優一覧
映画『スラムダンク』湘北高校バスケ部レギュラーメンバーのボイスキャストはこちら。
役名 | 声優 | 生年月日 | 代表作 |
#10 桜木花道 | 木村昴 |
1990年6月29日 | 『ドラえもん』剛田武 『呪術廻戦』東堂葵 『ヒプノシスマイク』山田一郎 |
#11 流川楓 | 神尾晋一郎 |
1982年1月13日 | 『あんさんぶるスターズ!』鬼龍紅郎 『約束のネバーランド』ソンジュ |
#4 赤木剛憲 | 三宅健太 |
1977年8月23日 | 『僕のヒーローアカデミア』オールマイト 『進撃の巨人』ミケ・ザカリアス |
#7 宮城リョータ | 仲村宗悟 |
1988年7月28日 | 『アイドルマスター SideM』天道輝 『アオペラ -aoppella!?-』深海ふかみ |
#14 三井寿 | 笠間淳 |
1984年4月10日 | 『ジャックジャンヌ』睦実介 『あんさんぶるスターズ!』HiMERU 『アイドルマスター SideM』葛之葉雨彦 |
映画版『スラムダンク』は2022年12月3日より全国映画館で公開されます。タイトルは『THE FIRST SLAM DUNK』。
脚本/監督を原作者である井上雄彦さんが務めています。
映画版で主役の桜木花道を担当するのは国民的人気アニメ『ドラえもん』のジャイアンこと剛田武役でお馴染みの木村昴さんです。最近はテレビ出演も多くとても有名な声優さんですね。
その他は流川楓役に『約束のネバーランド』ソンジュ役でお馴染みの神尾晋一郎さん、赤木剛憲役に『僕のヒーローアカデミア』オールマイト役でお馴染みの三宅健太さん、宮城リョータ役に『アイドルマスター SideM』天道輝役でお馴染みの仲村宗悟さん、三井寿役に『ジャックジャンヌ』睦実介役でお馴染みの笠間淳さんとこちらも劣らず豪華な配役となっています。
映画『スラムダンク』声優変更の理由は?
映画『スラムダンク』でテレビアニメ版から声優陣が変更された理由はなぜなのでしょうか?
公式のコメントは発表されていませんのであくまで推測になりますが、考えられる理由はこちらの2つです。
- テレビアニメ版声優陣の高齢化
- 原作者・井上雄彦さんの意向
理由1:声優陣の高齢化
まず考えられるのは、テレビアニメ版『スラムダンク』でボイスキャストを担当していた声優さんたちの高齢化ではないでしょうか?
キャストメンバーの中で一番の最年長は、宮城リョータ役を担当した塩屋翼さんの64歳。
続いて、桜木花道役を担当した草尾毅さんの57歳、赤木剛憲役を担当した梁田清之さんの57歳、流川楓役を担当した緑川光さんの54歳と続きます。
メンバー最年少の三井寿役を担当した置鮎龍太郎さんでも53歳という年齢です。(※年齢は2022年11月時点)
- 宮城リョータ役 塩屋翼さん(64歳)
- 桜木花道役 草尾毅さん(57歳)
- 赤木剛憲役 梁田清之さん(57歳)
- 流川楓役 緑川光さん(54歳)
- 三井寿役 置鮎龍太郎さん(53歳)
もちろん5人全員がまだ現役で活躍されていますが、テレビアニメ版が放送されたのは今から25年以上も前のことです。(1993年から1996年まで)
25年前ともなれば流石にプロといえども声質が変わっていると思いますし、何せ60歳前後の声優が高校生役の声を演じるのは違和感を覚えるかもしれません。
このように声優さんたちが歳をとりすぎてしまったことが、変更することになった理由の一つではないかと考えます。
ちなみに、映画版キャストの年齢はこちら。(※年齢は2022年11月時点)
- 桜木花道役 木村昴さん(32歳)
- 宮城リョータ役 仲村宗悟さん(35歳)
- 三井寿役 笠間淳さん(38歳)
- 流川楓役 神尾晋一郎さん(40歳)
- 赤木剛憲役 三宅健太之さん(45歳)
メンバー最年少の木村昴さんが35歳、最年長の三宅健太さんが45歳とかなり若返っていることがわかります。平均年齢でいうと、テレビアニメ版は57歳で映画版は38歳なので19歳も違うことになります。
理由2:原作者の意向
続いて考えられる理由は、原作者・井上雄彦さんの意向です。
おそらく、これが一番の理由なのではないかと思っています。
井上雄彦さんの日記(つれづれの記)でこのような事が語られていましたのでみていきましょう。
自作のキャラクターをどう思っているかはなかなか知る機会もないと思うので、少し明かしますと・・
キャラクターたちは、連載が終わってからも引き続き自分の中で生きている感じがあります。
新装版やイラスト集などで新しく描き下ろすたびにどこかから呼び出して、命を新たに吹き込んでいる感じで更新されていく、歳は取らないけど生きている、そういう感覚があります。その中で、自分が歳を重ねるにつれてキャラクターたちをとらえる視点の数も少しずつ増えていく。
こいつはこんなヤツだったのか、こんなことがあったのかと、いろいろな視点が浮かんで、その度にメモが少しずつ増えていきました。更新されてきました。昔、30年前には見えなかった視点もあれば、連載中からあったけどその時には描けなかった視点もあります。それらのいくつかが生かされたという意味で、今回の映画は新たな視点で描いたスラムダンクと言えます。
キャラクターたちの新たな絵を描く時のように、何度も描いてきたはずだけど初めて出会う人のように、この映画も新たな命のようなものを持つことを願って取り組みました。知らない人には初めての、
知ってる人には、
知ってるけど初めて見るスラムダンク。そんな感じで気軽に楽しんでもらえたら嬉しいです。
※引用元:井上雄彦 つれづれの記
このように、井上雄彦さんはスラムダンクの連載が終了(1996年)して現在に至るまで、日に日にキャラクターに対してとらえる視点が増えていったと語っています。
つまり連載時は、桜木花道はこうだとか流川楓はこうだとか思っていた理想像が変化していき、時間と共に成長していったキャラクターに対し新しい視点で表現する手段の一つとして声優の変更を選んだのではないかと思います。
”スラムダンクを知っている人も、知らない人も皆楽しんで欲しい”
ここに原作者の井上雄彦さんの全てが詰まっているように感じ取れます。
また、今回の映画で主人公の桜木花道役を担当する木村昴さんのコメントでこのようなことが語られています。
この文章からもみてとれるように、井上雄彦さんはキャラクターの声に相当なこだわりを持っているように感じます。
なぜならば、2年という長い年月をかけてキャストとディスカッションを重ねていきキャラクターを作り上げていっているからです。
1本の映画の1人のキャラクターに対し、2年という長い年月をかけて作り上げるなんて他では考えられないですし、井上雄彦さん強い想いが伝わってくるエピソードです。
以上の理由から、映画『スラムダンク』の声優が変更されたのではないかと考えます。
まとめ
映画『スラムダンク』で声優陣がテレビアニメ版から変更された理由について紹介しました。
- テレビアニメ版『スラムダンク』声優陣の高齢化
- キャラクターに対する理想像の変化
- キャラクターの成長を表現
- 旧ファンから新規ファンまで全ての人が新鮮で楽しめるようにするため
以上が、声優を変更した主な理由なのではないかと考えます。
映画『THE FIRST SLAM DUNK』
2022.12.3 公開です!#SLAMDUNK #SLAMDUNKMOVIE pic.twitter.com/em33ouaoUu
— 映画『THE FIRST SLAM DUNK』公式 (@movie_slamdunk) July 7, 2022
今回の声優発表に対し、SNSを中心に「がっかりした」「残念」「昔のままが良かった」などといった批判的な声を多く目にしますが、この決定は井上雄彦さんの意向である可能性が高いので、ファンとしてはこのような意図を踏まえた上で楽しんで欲しいと思います。
今回担当するボイスキャストは、おそらく子供の頃にスラムダンクを読んで、観て育った世代です。
かなりの想いや気合を込め作品と向き合い作り上げてくれているはずです。
果たして、どういった作品に仕上がっているのか期待して待ちたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。