2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で山本耕史さんが演じる三浦義村(みうら よしむら)。
どのような人物でどういった最期を迎えたのか気になりますよね?
この記事では、三浦義村の最期を中心に人物について紹介します。
三浦義村のプロフィール
三浦義村のプロフィールについて簡単に紹介します。
【プロフィール】
名前:三浦義村(みうら よしむら)
通称:平六(へいろく)
生涯:1168年(仁安3年)〜1239年(延応元年)12月5日
【両親】
父:三浦義澄(みうら よしずみ)
母:伊東祐親の娘
三浦義村は、平安時代末期から鎌倉時代初期に生きた相模国(現在の神奈川県)の武将で、鎌倉幕府の有力御家人のひとりです。
2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では山本耕史さんが演じています。
父親は『鎌倉殿の13人』であり十三人の合議制のメンバーの一人である三浦義澄で、母親は伊豆(現在の静岡県)の豪族である伊東祐親の娘です。
三浦義村は鎌倉時代を記した史書『吾妻鏡』寿永元年(1182年)8月11日の条で、源頼朝室(のちの政子)の安産祈願の祈祷のため、伊豆・箱根の両権現と近国の寺社へ遣わされた使者として「三浦平六(義村の幼名)」という名で初めて登場しています。
しかし、義村の生誕や幼少期に関する史料はほとんど残っておらず、歴史的観点から1168年生まれと推測されています。
また、三浦義村の妻は判明している範囲で2人いました。(土肥遠平の娘、一条忠頼の娘)
ただ子供は14人と非常に多いのでその他にもいたことが推測されます。(朝村、泰村、長村、光村、重村、家村、 資村、胤村、重時、良賢、 矢部禅尼、土岐光定室、毛利季光室、 千葉秀胤室)
三浦義村の最期や死因は?
三浦義村の最期や死因はどういったものだったのでしょうか?
『鎌倉殿の13人』では多くの登場人物が非業の死を遂げており、三浦義村もそのような最期を迎えたのではないか?と思っている方も多いのではないでしょうか!?
鎌倉時代の歴史を伝える『吾妻鏡』によると、三浦義村の死因は「頓死、大中風」と記されています。
頓死とは、急死のことを意味し
大中風とは、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)のことを意味します。
つまり、三浦義村の最期は戦死や仇討ちといったものではなく、脳卒中による病気が原因であったことがわかっています。
義村が亡くなったのは1239年(延応元年)、年齢にすると71歳なのでかなり長生きしたことがわかりますね。
ちなみに、源頼朝は享年51歳、北条義時は享年61歳でした。
三浦義村は理解不能な人物?
三浦義村と言えば、「北条義時の相棒」や「冷静沈着で時世を見る能力に長けた人物」といった印象を受ける方も多いかと思いますが、一方で『鎌倉殿の13人』で描かれているように度々理解不能な発言をする姿が話題になっています。
例えば、源頼朝の愛妾・亀(江口のりこ)の後妻打ちの噂を聞き、亀を避難させるためにやってきた際の一幕。
義村「(亀を)連れて行く当てはあるのか?」
義時「これから考える」
義村「いっそ、オレの女になるか?」
亀「悪くない」
義時は「女なら誰でもいいのか」
義村「誰でもではない。頼朝の女だ」「その時、初めて俺は頼朝を超える」
「その時、初めて俺は頼朝を超える」の発言が放送された直後にはSNSを中心に「何いっているのか分からない」「義村の発言が理解不能」「なぜそれで頼朝を超えるの?」などといった声が多数あがりました。
このように実際の三浦義村は理解不能な人物だったのでしょうか?
実は、鎌倉初期の歌人である藤原定家の日記『明月記』によると、「義村八難六奇之謀略、不可思議者歟」と記されており、実際に義村の行動は当時多くの人が理解不能であったことがわかっています。
冷静で緻密な計画性に富んだ人物でありながら、たまに理解不能な言動もする義村にはとても興味をそそります。
また、『鎌倉殿の13人』で義村を演じる山本耕史さんは、映画『シン・ウルトラマン』で独特な言い回しをする外星人第0号メラフィス星人も演じていることから、”三浦メラフィス義村”などとSNSで言われ、そのセリフには大変注目が集まっています。
今後も三浦義村のセリフには要注目ですね!
八重や北条義時との関係(家系図)
三浦義村の八重や北条義時との関係を家系図で紹介します。
この家系図から見てわかるように、八重は伊東祐親の子供で、三浦義村と北条義時は伊東祐親の孫であることがわかります。
三浦義村の母親が八重と姉妹にあたるので、八重は義村にとって親戚(叔母さん)です。
ただ叔母さんと言えど、年齢は近いと言われています。(八重の生年月日は不詳)
対して三浦義村の母親と北条義時の母親が姉妹にあたるので義村と義時は従兄弟(いとこ)になります。
三浦義村が活躍した戦は?
三浦義村は父親の義澄と共に様々な戦に参戦していますが、特に活躍した戦について紹介します。
- 梶原景時の変
- 畠山重忠の乱
- 和田合戦
源頼朝の死後、鎌倉幕府は次の権力闘争などで荒れに荒れます。
そのため多くの争いが起こり、三浦一族も参戦することとなりました。
梶原景時の変
梶原景時の変は、1199年11月15日から1200年2月6日にかけて鎌倉幕府内部で起こった政争です。
初代将軍源頼朝の死後、政権を握った頼家の度々の失政に嘆いた結城朝光が「頼朝が亡くなった時に出家すればよかった」と口にしたことが発端となります。
当時、警察のような役割を担った侍所所司である梶原景時は謀反だと結城朝光を処罰しようとします。
しかし、梶原景時のことをよく思わなかった御家人66名が連署を作成し、結果的に梶原景時は追放され一族の多くが滅ぼされる結果となりました。
畠山重忠の乱
畠山重忠の乱は、1205年に北条時政の策謀により畠山重忠が滅ぼされた事件です。
初代鎌倉幕府将軍・源頼朝の死後、幕府内部の権力闘争が続き、梶原景時の変や比企能員の変など多くの有力者が滅ぼされ、鎌倉幕府の実権は3代将軍・源実朝を擁する北条時政が握ることとなります。
畠山重忠は時政の前妻の娘婿であり、梶原景時の変、比企能員の変ではいずれも北条氏側に協力していたのですが、1204年に平賀朝雅と重保の争いと二俣川の戦いの2つの争いに畠山家が関わったことが発端となります。
勢力を強める畠山家に恐れた時政が謀反の疑いがあるとでっち上げをし排斥していきました。
和田合戦
和田合戦は、1213年に侍所別当の和田義盛が北条義時を排除しようと反乱を起こした政争です。
和田義盛は鎌倉幕府草創の功臣で侍所別当として権勢を有していたのですが、鎌倉幕府初代将軍・源頼朝が亡くなった後,勢威を高めてきた北条氏と対抗するようになりました。
1213年2月に発覚した泉親衡の陰謀の加担者として義盛の甥胤長が処罰されたことから北条氏と和田氏両者の関係が悪化していきました。
当初、和田義盛は三浦義村と手を組み北条氏打倒を目指し挙兵しますが、土壇場で義村に裏切られ敗死しました。
これらの権力争い全てにおいて、重要人物として勝敗の鍵を握ったのが三浦義村でした。
過去に三浦義村を演じた俳優は?
三浦義村を過去に演じた俳優について紹介します。
これまで3人の俳優が三浦義村の役を演じています。
- 草燃える(1979年、NHK大河ドラマ) - 演:藤岡弘
- 炎立つ(1994年、NHK大河ドラマ) - 演:大森啓祠朗
- 鎌倉殿の13人(2022年、NHK大河ドラマ) - 演:山本耕史
草燃えるは、1979年(昭和54年)に放送されたNHK大河ドラマで、源氏3代による鎌倉幕府樹立を中心とした東国武士団の興亡を描いた作品です。
主役の源頼朝役は石坂浩二さんが演じています。
「草燃える」で源頼朝役を演じた石坂浩二さん
「草燃える」で三浦義村役を演じた藤岡弘さん
炎立つは、1993年(平成5年)から1994年(平成6年)にかけて放送されたNHK大河ドラマで、奥州藤原氏の栄華と衰亡を3部構成で描いた作品です。
主役は渡辺謙さんで、第1部、2部では藤原経清役、第3部では藤原泰衡役を演じています。
「炎立つ」で藤原経清、泰衡役を演じた渡辺謙さん
「炎立つ」で三浦義村役を演じた大森啓祠朗さん
鎌倉殿の13人を観て三浦泰村のことを知った方も多いとは思いますが、演じた俳優の人数を見てわかるように意外と取り上げられていないレアな人物なのですね!?
まとめ
今回は平安時代末期から鎌倉時代初期に生きた相模国(現在の神奈川県)の武将で、鎌倉幕府の有力御家人のひとりである三浦義村のプロフィール、最期や死因などについて紹介しました。
- 三浦義村は最期は脳卒中による病死(享年71歳)
- 藤原定家『明月記』によると理解不能な人物であったと記述
- 八重との関係は親戚(叔母さん)
- 北条義時との関係は遠い親戚
- これまで藤岡弘さん、大森啓祠朗さん、山本耕史さんが演じる
- 三浦義村は梶原景時の変、畠山重忠の乱、和田合戦で活躍
71歳まで長生きした三浦義村。おそらく『鎌倉殿の13人』では最終話まで出演することは間違いなしなので、こらからどういった感じで描かれるのか?また、どのように北条政権に関わってくるのか非常に楽しみですね!?
その他にも『鎌倉殿の13人』に関する記事を掲載しています。あわせてお読みいただけると幸いです。
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